カードパック開封に脳がやられている
高校生の頃、「遊戯王」にハマっていた。
1ヶ月5000円のお小遣いで1つ150円のパックを購入し、ペリペリペリペリ開ける。欲しいカードや高く売れるカードが出るか出ないかで一喜一憂していた。特定のカードが一枚だけほしい場合でも単品で買わずに、まずは何パックか購入して開封する。結果的に目的のカードは入っておらず、最初から単品で買ったほうが良かったわ〜!! と後悔することが日常であった。俺みたいなカモがKONAMIの経営を支えているのだと思う。
受験が始まるとカードゲームの熱は冷めた。大学でも再燃することはなかった。しかし、「このカード当たったら8000円で売れるべ!?」と宝くじ感覚でパックを購入してはいた。もちろんそんなカードは当たらなかった。外れたカードの山でごきぶりポーカーをした。ポケモンカードでごきぶりポーカーをしたことあるのは日本で私だけだと思う。ちなみにでんきタイプで狙いうちされて負けた。
友達とノリでパックを購入し、キラキラのカードがでたら嬉しい。外れたら「うっわ外れた〜」とか言って少しがっかりする。ごく最近まで、カードパックとは健全なお付き合いをしてきた。私とカードパックは、さながら手つなぎデートする高校生カップルのようである。
しかし、その健全さは一日にして失われることになった。
その日は友人と13時からの麻雀をする約束をしていた。偶然にもその前の週に、興味本位でポケモンカードのスターターデッキを購入していたため、ポケモンカードガチ勢の友人に「麻雀の時間までポケモンカード教えてくれない?」と連絡した。
友人と合流すると、ポケモンセンター・メガトーキョーに向かう。混雑したポケモンセンターの中を友人がスイスイ移動していく。マジでビビった。なんなん? 聞くと「まぁよく来てるからねw」と言われた。そういう問題ではないと思う。必死に友人についていくと、ポケモンカードパックが大量にあった。例によってノリでパックを購入した。開封したカードを友人に見せると、キラキラではなかったが、当たりの部類らしい。嬉しい。
その後、私のスターターデッキと友人の"趣味デッキ"でバトルした。クッソボロボロに負けた。友人のターンになる毎に、友人はデッキをすごいスピードで減らしていく。デッキからカードをサーチする度、カードをパチパチして「デッキシャッフルお願いします」と言われる。なにこれ? お前のデッキもう3枚しかないやん。シャッフルの意味ある????? そんなことをしていたら麻雀の時間になったので雀荘に向かう。
麻雀が終わると、ポケモンカードをやろうということになった。ここで帰っていれば、健全な関係は続いていたのだろう。
私はデッキを強くしたかった。何もしないままやられていくメタグロスGXはもう見たくない。軽い気持ちで鋼タイプのパックを購入する。6パック。1000円くらい。彼女なし実家暮らしの社会人には余裕である。開封。キラキラのカードが出る。楽しい。「これいいカードじゃん!」。嬉しい。再度7パック購入。1200円。「全然外れだね」。悔しい。7パック購入。1200円。開封。7パック.....................
何回7パックを購入したらわからない。もう誰も私を止められない。7パック買った時に、自分では1000円出したつもりだったのに1200円出ていた時はマジでビビった。無意識的に7パック分の金額を財布から出している。7パックを買うとという行為を、身体で覚えてしまっている。トイレから帰ってくる時にパックを購入した時は、友人の声が震えていた。会計の際、ポイントカードの有無も聞かれなくなっていった。
気づくと、財布から15000円が消え、手元には大量のカードが残っていた。パックに入っていたカードをしまうために、更にカードケースを2つも買った。まだ入らないカードがあったので、仕事で使っているファイルにぶち込んだ。
もはやカードに対する価値感覚はぶっ壊れていた。デッキを強くするためのアドバイスに従い、1枚1200円のカードを2枚購入した。デッキを回したところ、そのカードは私のデッキには必要ないことが分かった。バイバイ2400円。
しかし、私のデッキは強くなった。
これで、ガチ勢のデッキにも対抗できる。
いざ!!!
...............
何もできずに負けた。
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パック買うか!!!!
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